プラセンタ
プラセンタ
プラセンタ(placenta)とは日本語で「胎盤」のことを指します。
胎盤は妊娠期に形成される臓器で、母体と赤ちゃん両方から由来する組織で構成され、そこから伸びる臍帯、いわゆるへその緒が母体と赤ちゃんを繋げています。
その働きとしては、妊娠中に母体から赤ちゃんに酸素や栄養を届けたり、逆に赤ちゃんから母体に老廃物や二酸化炭素を戻します。加えて、赤ちゃんの肺、腸管、腎臓等の働き、ホルモンや免疫機能も担う重要な役割を果たしています。
胎盤を持つ生き物は有胎盤類と呼ばれ、哺乳類の多くがこれにあたります。
その中には、出産後に胎盤を食べてしまう種も多く、栄養が詰まった胎盤を食べることで、出産で低下した体力を早く回復させることが目的と考えられています。
人間の中にも、一部の国や地域では胎盤を食べる「胎盤食」の風習があります。(感染等のリスクもあり、おすすめできるものではありません。)
実際に胎盤の成分は多種多様で、10数種類のアミノ酸や多種のビタミン、ミネラル、酵素をはじめ、栄養成分や成長因子が豊富に含まれています。
こうしたことから、プラセンタは古くから“薬”として活用されてきた経緯があります。
プラセンタに含まれているアミノ酸、ビタミン、ミネラル等を投与する事で下記の効果が期待されています。
当院では医療用に認可を受けた国産のプラセンタ製剤である『メルスモン』と『ラエンネック』を取り扱っています。
両者は製造工程や添加物、保険適応となる疾患が異なります。ただし、期待される効果は類似しています。
製造工程の違いについては、含まれる成分の種類と量に若干の違いがあると考えられ、わずかながらラエンネックの方が胎盤成分の含有量が多いです。
添加物については、メルスモンにはベンジルアルコールが含まれています。この物質には痛みを軽減する効果があり、注射時の痛みについては若干有利であると考えられます。またアレルギー反応が出た場合、添加物に反応した可能性を考え、薬剤を他方に切り替える事で対策できる可能性があります。
| メルスモン | ラエンネック | |
|---|---|---|
| 製造方法 | 加水分解法 | 分子分画法 |
| 有効成分 | 100mg | 112mg |
| 添加物 | ベンジルアルコール | pH調整剤、ペプシン、乳糖 |
| 注射時の痛み | やや弱い | やや強い |
| 保険適応 | 更年期障害、乳汁分泌不全 | 慢性肝機能障害 |
当院ではプラセンタの皮下注射を行っています。
注射を打ち始めた当初は、週2回前後を1ヶ月以上継続すると効果が実感される事が多いです。症状が改善してきたら1~2週間に1回程度に頻度を落として様子を見ることが可能です。
基本的には継続する事で効果が持続しますが、決まりはありません。症状や生活環境を踏まえて、各患者様の可能な頻度で治療を受けられると良いかと思います。
プラセンタ注射は比較的副作用の少ない薬剤ですが以下のような副作用が報告されています。
当院では基本的には自費での注射を行っております。
| 項目 | 価格(全て税込) |
|---|---|
| 1A | 1,000円 |
| 2A | 1,500円 |
| 3A | 2,000円 |
| 診察料 初回時及び前回の治療から1ヶ月経過した場合 |
1,000円 |
プラセンタ注射を打つと献血ができなくなります。これは、プラセンタが生物由来の製剤であり、感染症伝播の可能性を完全に否定できず、厚生労働省の指導によりプラセンタ注射を受けた人は以後、献血を行えない決まりになっています。
とは言え、過去にプラセンタ治療による感染症が発症したという報告はありません。
その他、医師が適当でないと判断した場合、点滴をお断りすることがありますのでご了承ください。